2017/05/14

建設業界を読み解く7つの本

建設に関する書籍は多く出版されていますが、参考書が多く、「読み物」として出版されている本はそこまで多くありません。

そこで、このページでは建設に関する「読み物」としての書籍を厳選してご紹介します。



建設業界に関する書籍 7選
・日本のゼネコン[岩下秀男,1997.04]
序盤には大手ゼネコンの簡単な歴史も書いてあり、ゼネコン業界入門といった本です。


・公共事業をどうするか[五十嵐敬喜,1997.03]


・ゼネコン危機の先を読む[辻村定次,2001.04]


・ゼネコンは請負体質から脱皮せよ[照井進一,2008.07]
うえの3冊はゼネコンの現在の体質を批判した上で結論として新たな提案、という内容だが、提案が抽象的かつ実現への弊害に対する方策等もなく、微妙な本達。


・建設業の世界[古川修,2003.08]
学問の立場から建設について述べられてる本です。一般的な建設に関する事柄も、「学問の視点から考察すると違った面が見えてくる」ということを感じる本です。


・建設業者[エクスナレッジ,2012.10]
主に建設業界で働く職人のインタビュー集です。
どういう人達が実際に建物を作る仕事をしているのかを知ることが出来ます。
ひとりひとりがカッコいい写真と共に掲載されています。


・公共事業を、内側から変えてみた[桑原耕司,2004.12]
著者がある公共事業でCM(コンストラクション・マネジメント)方式を提案し、着工までの期間、行政側、建設業者側との折衝を行った経緯と苦悩が書かれています。
CM方式に対する各業界の思惑がわかり面白い本です。



2017/05/07

空気調和衛生工学会設備士の合格率分析、合格基準点について

空気調和衛生工学会設備士試験は、試験後、試験問題を持ち帰ることが可能です。(途中退出をした場合は不可)
そのため、帰宅後に自己採点を行うことが可能です。
しかし、この試験は毎年、合格基準点が上下するため、自己採点した点数が、合格か否かの正確な判断はできません。
合格発表までの約2カ月間待てばよいのですが、結果を早く知りたくなると思います。

そこで、このページでは合格率、合格基準点について考察しました。


1.合格基準点と合格率は?

空調部門、衛生部門とも、合格率を30%前後となるように合格基準点を調整していると思われます。
合格基準点は合格率調整のため、毎試験で変動しますが、おおむね60点前後のようです。


2.各年度の合格基準点と合格率まとめ
第61次試験(H28年度)
空調部門 合格点54点 合格率33%
衛生部門 合格点66点 合格率31%
※公式HPに情報公開されるようになりました

第60次試験(H27年度)
※情報なし

第59次試験(H26年度)
空調部門 合格点58点 合格率34%
衛生部門 合格点58点 合格率29%
※私の受験結果表より

第58次試験(H25年度)
空調部門 合格点62点
衛生部門 合格点64点
※以前コメントを頂いた方からの情報

2017/05/04

参考書がない技術士一次試験衛生工学部門を効率的に合格するための独学勉強法

技術士は21の技術部門があり、技術士となれば、それぞれの分野で高い専門性を認められる資格です。
技術士を取得するためには最初に技術士一次試験に合格(技術士補となるための要件)する必要があります。(JABEEという仕組みで技術士を受験することも可能です。)

私は21部門の内、衛生工学部門を受験しましたが、この「衛生工学部門」は参考書がなく、試験対策を実施しにくい部門です。
参考書が見つからず、どのように勉強すればよいか知るために検索をしていて、このページに行き着いた方も多いと思います。

そこで、このページでは、私が受験する際に行った対策を整理し、技術士一次試験衛生工学部門を合格するための勉強方法をご紹介します。


1.技術士一次試験衛生工学部門の資格の特徴は?

1-1.技術士一次試験は3科目それぞれを半分正答する

技術士一次試験は基礎科目、適正科目、専門科目に分かれており、それぞれの科目で正答率50%以上で合格となります。
それぞれの科目で解答方法が下記のように異なります。

【基礎科目】
6問×5分野の計30問から、3問×5分野の計15問を解答する。
【適正科目】
15問を解答する。
【専門科目】
35問の出題の内、25問を解答する。

出題数が多く、基礎科目や適正科目に比べて専門的な知識が必要となることから、対策では専門科目に比重を置いて学習することが必要となります。


1-2.衛生工学部門用の参考書がない

このページをご覧になっている方は既にお気づきかと思いますが、技術士一次試験の衛生工学部門の専門科目用参考書は市販品がありません。
技術士一次試験の受験者数は年間約2万人程度ですが、その中で衛生工学部門の受験者数は400人程度です。
参考書がないのは年間400人を対象に参考書を出版するのは、出版会社からすると儲からないのが理由と思われます。
では、参考書がない状況でどのように勉強をすれば良いのか。
詳しい勉強方法は「2.衛生工学部門の専門科目はどのように勉強すればよいのか?」でご紹介します。

また余談ですが、本屋で建設部門の参考書を多く見かけます。技術士一次試験 建設部門の受験者数は年間7,000人程度です。その程度の受験者がいなければ、参考書を出版する利点がないのでしょう。


1-3.過去問題がそのまま出題される

技術士一次試験では、過去問題と類似の問題や完全に同じ問題が出題されることが多々あります。
技術士一次試験の対策では、過去問題の中から何度も出題されている問題を把握し、確実に正答出来るようにすることが重要となります。

例えば、下記は「リン除去技術」についての問題です。
平成25年と平成27年の問題は出題文、選択肢も同じ問題となっています。
これらはそれぞれの選択肢の意味、内容を勉強するのも良いですが、合格点を目指すだけであれば、解答を丸暗記してしまう方が効率的です。

頻出の問題を一覧にしたものは後で紹介します。


【H25年 衛生工学部門 問19】
【H27年 衛生工学部門 問18】


2.衛生工学部門の専門科目はどのように勉強すればよいのか?

2-1.過去問題を中心に対策する

技術士一次試験衛生工学部門の専門科目は過去問題を中心に学習することとなります。
理由は2つあります。
①過去問題から同じ問題が多く出題される
②参考書がない

過去問題は日本技術士会の公式ホームページから閲覧、ダウンロードすることができます。
日本技術士会 【過去問題(第一次試験)】


2-2.問題の種類を5つに分類する

技術士一次試験 衛生工学部門の問題は大きく5つに分類できます。
①建築環境系の問題
②空気調和衛生設備系の問題
③水質管理系の問題
④大気管理系の問題
⑤廃棄物系の問題

これを今までの過去問題で分類すると下記のようになります。

【技術士一次試験衛生工学部門 過去問題分類表】

近年は前半に建築分野の問題、後半に水質、大気、廃棄物の問題が配置されていることがわかります。


2-3. 過去問題を分析すると「廃棄物系」が出題多い

5つの分類別に過去問題を分析すると出題比率がそれぞれで異なります。
下のグラフは平成18年度から平成27年度までの10年間の過去問題出題比率を5つの分類別に整理したものです。
見て頂くとわかるように、廃棄物系の問題が最も多いことがわかります(32%)。
続いて、建築環境系(22%)、空気調和衛生設備系(21%)となっています。

このことから、廃棄物系の問題をしっかり勉強しておくことが合格の近道となります。
自身の専門性に合わせて、苦手かつ出題比率が高い分類を重点的に勉強し、得意分野と合わせて得点することで、合格圏内に入れるよう、勉強する分野を調整しましょう。

私の場合も廃棄物系の問題を中心に勉強しました。また、建築環境、空気調和衛生設備系の問題は自分の仕事の分野でもあり、そこまで重点的には勉強しませんでした。

【H18~H27の過去問題350問の分類別出題比率】



2-4.過去問題から繰り返し出題されている問題を見つける

技術士一次試験では、過去問題から類似問題や完全に同じ問題が出題されることが多いことを紹介しました。
では、頻出問題は具体的にどの問題なのか気になる方も多いと思います。
そこで、頻出問題についてまとめました。

下記表は平成16年から平成27年までの期間に、2回以上出題があった問題を一覧にしています。(類似の問題も含む)
出題回数と共に、出題年と出題番号を記入しているので、公式ホームページで公開されている過去問題から該当の問題を探し、重点的に学習することができます。

【衛生工学部門 頻出過去問題一覧】



3.基礎科目と適正科目の勉強はどのくらいすればよいのか?

ここまで、技術士一次試験の衛生工学部門専門科目についての勉強方法を紹介してきました。
一方、技術士一次試験には基礎科目と適正科目もあり、それらを全く勉強しないままでは、合格のボーダーラインである正答率50%をクリアすることは出来ないでしょう。

専門科目に比べ、基礎科目、適正科目は市販の参考書が多く出版されており、勉強はしやすいです。
では、どのくらい勉強をすればよいのか。
目安は下記です。

【基礎科目】
市販の参考書で3~4年分の過去問を解く。
似たような問題が多いので解き方を理解すれば、本番でも戸惑うことなく解答できるようになります。

【適正科目】
市販の参考書で1年分の過去問を解く。
適正科目は一般常識で考えればわかる問題がほとんどです。どのようなレベルの問題が出題されるのかを把握しておけばよいでしょう。
ただし、過去問題1年分は実施した方がよいです。ひっかけ問題等はないですが、本番1回だけですと、選択肢のひっかけを疑ったり、深読みをしすぎる可能性もあるため、出題方法を把握しておくことが重要です。


4.合格するための参考書は?

ここまで、技術士一次試験衛生工学部門を合格するための勉強法を紹介してきました。
過去問題を中心に実施することを推奨しましたが、公式ホームページで公開されている過去問題の解答は、選択肢番号しか公開されていません。
そのため、なぜその選択肢が正解なのかをヒモ解くために参考書が必要となります。

ここでは、勉強の際、あると便利な参考書を紹介します。

【基礎科目、適正科目の学習におすすめ】


【廃棄物系の学習におすすめ】


【建築環境、建築設備系の学習におすすめ】



5.まとめ

技術士一次試験衛生工学部門に合格するための情報はいかがでしたでしょうか。
このページを読んだ方が、試験に合格できることを願っています。

また、受験に際してのご質問等あれば、お気軽にお問い合わせください。


2017/04/30

差し盲板(閉止板)とは

差し盲(めくら)板とは、下記の図で示す閉止板のことです。


配管のフランジ接続部に上記のような板(差し盲板、閉止板ともいう)を差し込み、配管を流れる給水や冷温水などを止めます。

建築設備工事では仮設でこの閉止板を使用することが多いです。

2017/04/26

​​​​​火災における鎮圧と鎮火の定義、違いとは

火災における「鎮圧」と「鎮火」の違いは、火が完全に消えているか消えていないかです。

大規模火災が発生した際、テレビ報道等でこれらの言葉を聞くけれども、鎮圧と鎮火の違いがわからないという方も多いと思います。 簡単に言うと、鎮圧は未だ火が完全に消えてはいない、鎮火は火が完全に消えている状態であり、順番としては下記となります。

火災発生→消火活動→火災鎮圧鎮火

また、しっかりとした定義は下記となります。

火災鎮圧とは

火災鎮圧とは火勢が消防隊の制御下に入り、拡大の危険がなくなったことを現場最高指揮者が認定したときの状態。 延焼の恐れはなくなっているが、まだ火が燻っている。

鎮火とは

鎮火とは現場最高指揮者が再燃のおそれがないと認定したときの状態。 完全に火の気や煙のない状況。(鎮火時間=撤収時間)